予備合格者が語る司法試験/予備試験の論文試験の勉強法②(続き)

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ケイ

学年最底辺のセンス0から予備試験合格(論文50位以内)
予備試験合格後から2年超の受験指導経験あり
上位合格よりも落ちないことを念頭においた勉強方法を発信

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論述力について

論文試験はとにかく時間がない

本番はびっくりするくらい時間がありません。

本番の試験では問題の事実を何回も読み直すということは難しく、問題を一度読んだ段階でおおむね法律構成を決める必要があります。そのあとにも問題文の事実は読み返すときは、法律構成に応じて必要な事実関係の細かい点を再度確認するために読むといったイメージです。

例えば予備試験であれば1科目あたりの解答時間は70分です。

そのうち書くことを考えるために20〜25分程度は使ってしまいますから(答案構成の時間としては大体持ち時間の4分の1から3分の1程度に抑える必要があります。)、残された時間で答案を作成する必要があり、構成を固めたらそのあとはほぼノンストップで答案を書くことになります。

必然的に、普段の勉強で、なるだけ省エネで答案を作成できるようにする準備が必要になります。

具体的な対策方法

具体的な対策は、以下のステップに分かれています。以下でそれぞれ見ていきましょう。

  • 過去に検討した問題の答案をなるだけ短い文章で作成し、自分の答案スタイルをある程度画一化する
  • 過去問を利用して答案構成時間と答案作成時間の配分を決め、答案スタイルを見直す

答案スタイルの画一化について

論点の理解と答案スタイルの確立の両方を意識するのは難しいなと感じたので、答案スタイルの画一化にあたっては、必ず過去に検討して自分が理解した問題を使うことを意識していました。

次に、具体的に答案スタイルを確立するにあたり意識するべき視点についてです。正直なところ、正解がないところですが、僕が意識していた点を参考までに挙げておきます。

  • 主語と述語を対応させる。
  • 1文を短くする。
  • 問題の所在の説明は1行から2行に収める。
  • 要件の前出しをなるだけやらない。
  • ナンバリングを変えてなるだけ接続詞を使わない。
  • 使う接続詞の順番を決め、使い方を固定する(例:「そして」「次に」「さらに」の順で付加的な文章を入れる、「よって」は結論しか使わないなど)。
  • 事実をなるだけ要約して拾い、まとめて評価する。

合格者に答案を見てもらったり、ある程度実力がついてきた段階で答案作成において意識している点をお互いにシェアする会を開いて意見交換をするなども有効です。最近は、予備試験合格者の添削サービスなども普及していますので、積極的に利用するといいでしょう。

答案構成と答案作成時間の配分について

自分の答案スタイルがある程度固まったら、時間配分の戦略を考えましょう。

素材は本番の環境にもっとも近い「過去問」がベストです。実際に過去問を2から3年分検討すると、答案構成時間にどれくらいの時間がかかって、答案作成に割ける時間がどの程度かが分かります。

それが分かると、自分が現実的にどの程度の分量の答案を作成できるのかが分かり、普段の勉強においてどの程度の記憶をするべきかがわかってきます(細かく覚えても書けないのであえて捨てるという発想が出てきます。)。

一例ですが、僕の場合は予備試験の場合、構成で20分、答案の枚数としては3枚弱(本番では2枚になってしまったものもあります。)しかかけないことが分かりましたので、考慮要素が複数ある論点などはあえて重要な2つくらいの要素に絞って記憶するなどのメリハリをつけていました。

この作業を通じて自分の限界の答案作成時間を算出し、その時間内でなるだけ多くの加点要素を網羅するように答案を作成するにはどうするかを考え、実際に答案を作成してそれができるかを確認する。

地道ですが、この作業を繰り返すことによって皆さんの答案作成能力は飛躍的に向上していきます。

まとめ

今回の記事では論文試験に必要となる能力について言及し、その能力の高め方についての総論的な話をしてきました。

最後にこれまでお話してきたことを表の形でまとめておきます!勉強の方法に悩んだ時には、この表を見て自分の勉強の目的について振り返ってみてください。

必要な能力構成要素対応する勉強To do
事案分析力
(問題文から検討するべき法的問題を特定し、特定した法的問題の要件該当性に関係のある事実を問題文から抽出、意味づけする力)
・条文や判例法理(代表的な学説)の問題の所在、規範(重要な考慮要素)、理由付け)を説明できるか。

・各科目の固有の思考方法を説明できるか。
入門講座・問題演習(答案構成)・代表的な問題を10~15問ほど解き思考方法を習得

・入門講座・問題演習が終わった際に問題の所在、規範(重要な考慮要素)、理由付けの説明ができるかを確認。
記述力(事案分析の結果を答案上において表現する力)・答案スタイルの画一化
・時間配分
問題演習(起案演習)・事案分析力の養成のために使用した問題を用いて、起案→画一化に努める。

・過去問演習を通じて時間配分を確立、答案のブラッシュアップ、記憶の精度を決定する。

お読みいただきありがとうございました!!

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